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2024.12.26

不動産投資の専門用語解説:初級から上級まで完全網羅

不動産投資の専門用語解説:初級から上級まで完全網羅

不動産投資を始めようと考えている方から、すでに投資経験がある方まで、様々な段階で必要となる専門用語を体系的にまとめました。初級・中級・上級とレベル別に分類し、実務での活用シーンも交えて解説していきます。

初級編:投資を始める前に押さえておきたい基礎用語

【物件に関する基本用語】

区分所有
建物の一部を独立した所有権として持つ形態です。マンション投資でもっとも一般的な所有形態で、共用部分は区分所有者全員での共有となります。

専有面積と延床面積
専有面積は区分所有物件で実際に使用できる面積、延床面積は建物の各階の床面積の合計を指します。投資判断の際の重要な指標となります。

利回り
不動産投資の収益性を示す重要指標です。
– 表面利回り:年間賃料収入÷物件価格×100
– 実質利回り:(年間賃料収入-経費)÷物件価格×100

【資金に関する用語】
頭金
物件購入時に自己資金として用意する金額です。一般的に物件価格の2~3割が目安とされます。

住宅ローン控除
住宅ローンの年末残高の1%を所得税から控除できる制度です。投資用不動産でも一定の条件下で適用可能です。

中級編:投資実務で必要となる用語

 【収益性分析に関する用語】
NOI(Net Operating Income)
物件の純営業収益を示す指標です。
計算式:年間賃料収入-運営経費(管理費、修繕費、保険料など)

キャップレート
不動産の収益力を示す指標です。
計算式:NOI÷物件価格×100

DCF法(Discounted Cash Flow法)
将来得られる収益を現在価値に割り引いて物件価値を算出する方法です。

【建物・管理に関する用語】
築年数とヴィンテージ
築年数は建物の経過年数、ヴィンテージは特定の年代に建てられた物件群を指します。投資戦略を立てる上で重要な要素となります。

修繕積立金
建物の大規模修繕に備えて積み立てる費用です。月々の管理費とは別に設定されます。

上級編:投資のプロフェッショナルが使う用語

投資戦略に関する用語】
バリューアッド投資
物件の価値を向上させることで収益増加を図る投資手法です。改修工事やテナントの入れ替えなどが代表的な手法です。

コアプラス投資
安定した収益が見込める物件に若干のリスクを加えて、より高い収益を目指す投資手法です。

【不動産金融に関する用語】
ノンリコースローン
物件からの収益のみが返済原資となり、借り手の他の資産には遡及しない融資形態です。

LTV(Loan To Value)
物件価値に対する借入金の割合を示す指標です。
計算式:借入金額÷物件価値×100

 【法務・税務に関する高度な用語】
デューデリジェンス
投資判断のための詳細な調査を指します。法務、財務、物理的調査などが含まれます。

含み損益
物件の簿価と時価の差額を指します。含み益がある場合は将来の売却時の利益となる可能性があります。

 

不動産投資の専門用語は、投資の段階や目的によって必要となる知識が異なります。初級者の方は基本的な用語から順に理解を深め、実務経験を積みながら徐々に高度な用語も習得していくことをお勧めします。

投資判断の際は、これらの用語の意味を正確に理解した上で、専門家への相談も活用しながら慎重に検討を進めることが重要です。また、不動産市場や法規制は常に変化していますので、新しい用語や概念についても継続的な学習が必要です。