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2024.10.10

日本企業の世界進出と不動産戦略の最新動向【2024年10月】

日本企業の世界進出と不動産戦略の最新動向【2024年10月】

2024年、日本企業はグローバル市場での展開を加速させるとともに、国内外での不動産投資にも注力しています。これは企業の成長と競争力強化を図る一環として、不動産資産の最適化や新規投資が行われているためです。以下では、日系企業の最新の不動産戦略や世界進出の動きについて解説します。

1. abrdn、日本市場での不動産事業拡大

スコットランドを拠点とする資産運用会社abrdnは、日本の不動産市場における事業拡大を発表しました。オランダの年金投資家PGGMとの提携を通じ、日本の住宅不動産ポートフォリオを管理する新たな投資をスタートさせています。abrdnの日本CEOであるKen Yajima氏は、「日本市場はabrdnのグローバル戦略において非常に重要である」と強調しており、今後も日本国内での投資を強化していく方針です​。

2. 企業による不動産資産の効率化と売却戦略

近年、日本政府は企業の経営効率を高めるため、資産の見直しや株主への還元を強化する動きを後押ししています。その結果、企業は不動産資産を売却し、軽量化を図る傾向が強まっています。例えば、KKRは日本の大手企業から物流施設を買収することで、資産を効率化しながら新しいビジネスモデルへ転換する事例が増えています。この動きは、不動産を単なる保有資産から、事業展開の一環として戦略的に活用する重要性が増していることを示しています。

3. 物流施設への投資拡大

eコマースの急速な成長に伴い、日本国内でも先進的な物流施設への需要が急増しています。特に、東京や大阪といった主要都市圏では、自動運転技術を見据えた新たな物流拠点の開発が進行中です。三菱地所などの大手不動産開発企業は、今後10年間で5000億円の投資を計画しており、冷蔵・冷凍倉庫や自動運転対応施設などの開発に力を入れています​。

4. 観光業と不動産市場の再活性化

観光業の回復も不動産市場に好影響を与えています。パンデミック後の観光客の回復とともに、東京や大阪などの大都市では、ホテル業界や長期滞在向け施設への投資が活発化しています。デジタルノマド向けのコリビングスペースや高級住宅開発も注目されており、外国人投資家や長期滞在者向けの物件需要が増加しています​


まとめ

2024年、日本企業の世界進出と不動産戦略は大きな転換期を迎えています。不動産資産の効率化や新たな投資分野の開拓を通じて、企業は経営の安定化と成長を目指しています。物流施設や観光業を中心とした市場の動きは、今後もさらに注目されるでしょう。

これらの動向は、国内外の投資家にとっても大きな機会を提供するものであり、特に日本の主要都市での投資が今後も増加すると予想されています。